5月30日に東京で会議があり、府中の次女宅に泊まった際、札幌市衛生研究所からのお詫びの文書で知った。次女は昨年8月に里帰り出産をし、新生児マス・スクリーニングを受けていた。
札幌市のスクリーニング検査は「札幌市モデル」と評価の高いもので、生後4日から6日目の新生児の採血から代謝異常疾患24種、内分泌以上疾患2種類の検査を行う。昭和52年から全国の自治体に先駆け開始、今年3月までに65万人に新生児に行い、多くの疾患患者と予備軍のフォローアップを行ってきた。
加えて、昨年8月から28年年9月まで、「ムコ多糖症」の検査を国内では札幌市衛生研究所、長崎大学、大阪市立大学などが参加、新生児20万人の新生児を対象にアメリカのデュポン小児病院、セントルイス大学で検査が実施されることになっていた。
「ムコ多糖症」は関節の動きをスムーズにする働きのあるムコ多糖類が分解されず蓄積されることで骨の変形や低身長などの症状が現れる病気で、早期に発見することで早期治療につながるとされていた。
すでに札幌市では直近までに12,000の検査希望がありアメリカへ検体発送も8,400を超えていたが、検体が大量に集まり検査のための人手が想定を超えたことや、測定機器の負荷による機器故障などの理由で、アメリカでの検査の遅延により結果が全く返送されず今後も解消される見込みがないことで、札幌市衛生研究所倫理審査委員会からの意見もあり中止に至った。
検体はすべて札幌に返却されるとのことではあるが、保護者には何かしらの不安を与えたのは事実であり、対象者すべてにお詫びの文書、マスコミへの通知、HPでの報告がされていたが、問い合わせもすでに20件あり相談に丁寧に応じることと札幌市HPのトップページ新着情報にアップすることを求めた。