「高齢者施設等に入所されている方の投票機会の確保について」
(選挙管理委員会3.3)
(1) 不在者投票指定施設に対する取組について
昨年10月31日に執行された第49回衆議院議員総選挙で、高齢者施設に入所する方
から、入所している施設の違いにより、投票のための外出ができず、投票する
手段が無くて大変落胆されたというご相談が複数あった。
「入院・入所中の病院や老人ホームでの投票方法」があり、都道府県選管が
指定した施設の長が不在者投票管理者となり、不在者投票を行うことができる。
この不在者投票施設は北海道選挙管理委員会から指定を受け、病院や老人ホームで
あれば収容定員が30人以上の一定の目安が設けられており、昨年の第49回衆議院
選挙の時には、札幌市内で、531施設の病院、介護老人保健施設、老人ホームなど
が指定を受けている。
質問:札幌市選管として、このコロナ禍、指定施設が不在者投票を安心
して管理・執行できるよう、どのような取組を行っているのか伺う。
答弁:選挙執行前に毎回すべての指定施設を対象に不在者投票が円滑かつ適正に
行われるよう、説明会を実施、昨年4月、10月選挙では新型コロナウイルス
感染症対策の具体的取組を示した。今後も施設の不安解消に努める。
いっぽう不在者投票可能な指定を受けていない高齢者施設等に入所する方たちは、
投票への付き添いを多忙を理由に断られ、友人が介助を申し出たが、
施設全体のルールを理由に断られ、あきらめるしかなく、もう今後、投票には
行けないのかと悲しかったと語られた。
保健福祉局高齢福祉部によると市内介護保険施設等は1,107施設あり、不在者投票
指定施設531の中で高齢者に関わるところが約300施設であることから、約7割、
700以上が指定を受けていない施設と考えられる。
質問:コロナ禍にあって感染防止等を理由に、入所施設から外出を
控えるよう言われる入所者もいる中、指定施設ではない高齢者施設等に入所されて
いる方の投票の機会を確保するために札幌市選管の取組は?
答弁:入所している施設で不在者投票ができるよう、保健福祉局から情報提供を
受け、要件を満たす施設には定期的に働きかけを実施、今後も継続する。
要件を満たさない施設に対しては、選挙人が安全に安心して投票できることを
知っていただけるよう様々な媒体を活用し周知していく。
要望:第49回総選挙に向けて、新型コロナウイルスに感染し、宿泊療養所などから
投票所へ行けない人に対して「特例郵便等投票制度」が急遽創設されたのは1歩前進
であった。新制度の中では、濃厚接触者であっても、「投票のために外出することは
不要不急の外出には当たらない」という解釈は、選挙権を保障するためには大切な
観点であり、指定施設以外の高齢者施設にも改めて確認していただき、協力して
いただきたい。
今年7月には参議院議員通常選挙が執行され、来年には知事選挙をはじめ市長選挙、
統一自治体選挙も予定されている。選挙管理委員会には、指定施設以外の高齢者施設
に対して、投票所は万全の感染防止対策を取り、安心して投票できることを
しっかりと周知していただき、合わせて入居者から投票の申し出があった場合には
配慮いただき、貴重な有権者の投票機会の確保が図られるよう施設にお伝えいただく
ことを強く要望する。