
2月に札幌弁護士会有志の皆様との意見交換のなかで、課題が出ました。
「消費者行政の充実強化に向けた国の支援について」
・国は、消費者庁を立ち上げた2009年に、地方公共団体の消費者行政の充実強化を図るため地方消費者行政活性化交付金を創設しました。その後も、名称や交付要件を少しずつ変えながら地方自治体に対する財政支援を継続してきました。
・現在継続している地方消費者行政強化交付金は、補助率が最大10割で消費生活相談員の人件費にも充てることができるなど、各自治体での消費者行政の充実に向けた取り組みを実施するうえで非常に貴重な財源となっていると聞いており、本市においても、本交付金が市民の消費者被害の救済や未然防止などに大きく貢献しているところです。
・しかし、この交付金は、2017年以降、自治体の事業ごとに活用期限が原則として7年間に限定されたものとなっているため、全国の多くの自治体で近々交付金が終了になり、事業が停滞するといった懸念の声が出ていると聞いています。
・消費生活相談件数は高止まりの傾向にあり、高齢者の被害が大きな割合を占めているものの、被害の態様が多様化・高度化するとともに、若年層の被害も拡大していることからも、身近な自治体における継続的な体制の整備や取り組みの充実強化が必要であることは明らかであると考えます。
質問1:本市では現在、どのような事業にどの程度交付金が使われているのか?
また、交付金の措置について今後の見通しはどのようになっているのか、伺います。
答弁
〇札幌市では「?@消費生活相談に関する事業」「?A消費者被害防止ネットワーク事業(見守りに関する事業)」「?B消費者トラブル未然防止の啓発及び教育」の大きく3つの事業で補助率10/10の交付金を活用している。
〇?@消費生活相談に関する事業に占める交付金の割合と金額は、相談員の報酬2012年以降の昇給分について1,270万円、?A高齢者や障がい者などの見守りに関する消費者被害防止ネットワーク事業については、職員の人件費980万円を活用、?B消費者トラブル未然防止の啓発と教育に関する事業では100%で事業費全額の3,500万円について全額活用しているである。
〇3つの事業とも、令和7年度で交付金の活用期間が終了する見込みである。
・本市での交付金については、相談員の報酬改善部分や啓発と教育などに活用されているとのこと。
消費者向けの相談事業や見守り事業、さらに未然防止のための普及啓発に交付金が活用され、消費者の被害救済や未然防止などに有効に活用されてきているものと推察します。
・特に、普及啓発及び教育に関する事業は最も高額で全額交付金を活用しており、
近年では、消費者ホットライン188を「消費者トラブル、いやや!!」のフレーズで大きなインパクトを与え、オンラインゲームやマルチ商法、情報商材・副業のトラブルなど若年層向けの動画は好評で、良好な取組活用を行っているものと認識しています。
・しかし、この交付金が想定する2026(令和7)年度をもって終了となってしまった場合、これらの普及啓発活動は停滞し、ひいては市民の消費者被害の未然防止を進めるといった点で後退する恐れがあるのではないかと危惧するところです。
質問2:昨今の本市における厳しい財政状況等を踏まえると、交付金が終了した場合、一層工夫を凝らし、より効果的な普及啓発活動を行う必要があると思われるが、どのように対応していくのか、伺います。
答弁
〇札幌市ではこれまで交付金を活用し、動画やチラシ、パンフレットを作成しており、
例えば若者向けに動画をTOUTUBEで配信するなど、対象者を考慮して効果的な普及啓発活動を行ってきた。
〇動画での啓発については、有料媒体を利用してきたが、交付金終了後を見据えては、ここ1〜2年はココノススキノやヒロシ、チカホのビジョンなど無料行政放送枠媒体を中心に活用してきた。
〇また、若者層の被害も拡大していることから、若者への注意喚起は同世代の意見を向け動画は若者の感性を取り入れることがより効果的と考え、今年度は市内の専門学校の学生にご協力をいただき、啓発用動画とチラシを制作している。
〇今後、交付金が終了した場合にも、このような学校や市民・企業との連携を深めるなど、工夫を凝らしながら、効果的な啓発に努めてまいりたい。
・その重要性から、普及啓発活動について、交付金終了することも見据えて取り組まれているとのこと。
しかし、本来、これらの普及啓発活動はもとより、消費生活相談員の人件費や見守りにかかる経費など国全体に等しく関わる消費者行政に要する経費は、国の事務の性質を有するものであり、国が最低限措置すべきものであると考えます。
質問3:札幌市としても、国に対して支援の継続を積極的に働きかけていくべきと考えるがいかがか?伺います。
答弁
○札幌市では、消費者行政の充実強化に国の支援が必要と考え、これまでも指定都市市長会や消費者行政担当部局長会議などで、国へ支援の継続を求める要望を提出して来た。
○2026年度に移行予定の消費生活相談のデジタル化においては、消費者庁の地方自治体へのヒアリングの結果、交付金対象項目が増えた経緯もあることから、引き続き機会を捉え国へ支援の継続を要望してまいりたい。
(要望)
・国にはしっかり支援の継続を求めていただきたい!と思います。
国支援の存続が明らかにはなっていませんが、消費者トラブルのトレンドは常に変化しており、市としても、引き続き情報収集はじめ、状況を見極め、適宜適切な取り組みの充実・強化を進めていただくことを切に求めて質問を終わります。