「妊娠SOS相談事業について」(2025.3.19子ども未来局)

2025.04.02
子ども未来局3.19
「妊娠SOS相談事業について」(2025.3.19子ども未来局)

(1) 令和6年度の相談実績について
・わが会派では、2021年第3回定例会の代表質問以降、予期せぬ妊娠や妊娠に不安を抱えた方への相談体制の必要性について質問してきた。
今年度令和6年度から、にんしんSOSほっかいどうサポートセンターが北海道と札幌市の共同事業として開始され、わが会派が訴えてきた課題について、理解し対応いただいたものと認識している。
・予期せぬ妊娠や、妊娠に不安を抱える方は、誰にも相談できないまま週数が経過し、妊婦健診を受けないまま飛び込み出産となることがあります。また、頼れる人がいないことから、仕事や居場所を探して、道内各地を転々とするなど、大変危機的な状態に陥っている場合が少なくないため、本市においても北海道との連携を視野に入れた取り組みが大変重要と考えます。
質問1:妊娠SOS相談事業における令和6年度の相談実績について伺います。
答弁
・札幌市は令和6年度から北海道と共同でにんしんSOS北海道サポートセンターの運営を開始し、予期せぬ妊娠に関する24時間対応の相談と居場所支援を開始した。
・今年2月末時点の実績として、相談件数は延べ3,763件であり、電話やLINEによる匿名相談が多い。また、月に約30件程度、利用者の滞在先へのアウトリーチや医療機関への同行支援等を実施しており、相談内容やニーズに合わせた対応を行っている。
・居場所支援は、9人の実利用者がおり、滞在期間は利用者の主訴や課題により異なるが、数か月間滞在された方のいる。そのため2部屋用意した居場所が常に満床となり、非常にニーズの高い事業であると認識。

(2) 居場所支援の利用者の状況と課題について
・実際の相談状況については、理解した。
居場所支援をされる方から伺ったところ、相談は全道から月平均で300件で今年
1月には400件の相談があり、中には小中学生からの相談もあり、 一人が数回に
わたりLINEや電話で連絡してくることも多くあると聞く。
・こどもの虐待による死亡事例等の検証結果の第20次報告においても、心中以外の虐待死事例において、主たる加害者が実母の割合は約4割を占め、心理的・精神的問題をみると、「養育能力の低さ」が27.3%と最も多く、次いで「育児不安」が20.0%であり、過去15年間の総数においても同様の傾向であると報告されている。
・実母が、このような「養育能力の低さ」や「育児不安」という問題を抱えている場合、育児に係る知識の付与、手技の指導などの支援だけではなく、母親支援という概念を超えて、「ひとりの人間」としての支援の重要性が指摘されているところです。
・妊娠によって精神的、経済的、社会的に困難な状況に陥る女性の背景には、貧困、家
庭内の複雑な事情、パートナ―からのDV、市民文化局で取り上げた悪質ホスト等に関
連した性産業への従事と性感染症罹患、精神疾患、知的障害、社会からの孤立等の問
題が複雑に絡み合っていると言われている。
・特に居場所支援においては、指摘されているような個別性の高い支援を妊娠期から
行う必要があると認識します。
質問2:妊娠SOS相談事業の居場所支援の利用者の状況と、その課題について、伺います。
答弁
・居場所支援とは、専門職による相談等を受けられる緊急一時的な施設における支援
である。利用者は妊娠や育児への不安を抱えているだけではなく、経済的困窮、親族等の支援が得られにくい等、複雑な背景をもっており、住まいや食事など生活に困難を抱えている場合が多い。
・そのため、妊婦の不安や困りごとを丁寧に聞き取り、妊婦健診の受診支援や養育の意志に合わせた出産に向けた準備だけでなはなく、居場所や食事の提供などの生活支援等、その人に寄り添った支援が求められている。
・このように利用者の相談は、複雑かつ困難であり、短期間での解決は難しいことも多く、自立に向けた中長期」的な視点での支援のために、質的にも量的にも充実した体制整備が必要であると認識。

 (3) 令和7年度の取組について
・複雑な背景を持つ妊婦への支援には、専門性とともに、その人の状況に応じた支援と連携が必要であると理解した。
・令和5年第1回定例市議会 予算特別委員会における居場所支援の重要性について
の質問に対し、現状やニーズを把握し、必要な体制について早急に検討していく必要があると認識していると回答を得たところ。
・先ほどの答弁において、妊娠SOS相談窓口の利用者は大変多いことがわかった。
この状況では、2部屋用意した居場所支援が常に満床で、緊急的な相談者への対応が
難しい状況も起こるのでは。
・国においては、家庭生活に困難を抱える特定妊婦や出産後の母と子等を支援するた
めの「妊産婦等生活援助事業」が令和6年4月に児童虐待防止対策等総合支援事業費
補助金に新設されるなど、支援の拡充を求める動きがあると認識している。
・この事業は、妊娠葛藤相談やこどもの養育相談、居場所支援だけではなく、利用者の
状態に応じた支援計画の策定、自立に向けた相談等の支援も行うものとされている。
・特定妊婦や出産後の母と子等への支援は喫緊の課題であるにも関わらず、ニーズを
充足できていない現状に対し、本市の考えが問われている。
質問3:令和6年度の事業の実績を踏まえて、
令和7年度に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
答弁

・妊娠後の生活を自立して行えるよう、妊娠期からの支援を行っていくことの必要性は、本市としても認識しており、にんしんSOSほっかいどうサポートセンターは令和7年度は国の「妊産婦等生活援助事業」を活用し実施する予定。
・内容としては、中長期的な支援を継続できるよう、居場所支援の部屋を2部屋から4部屋に増やし、退所後も親子が地域で自立した生活を送れるよう、妊産婦の特性に配慮して就労支援機関との連携や福祉サービスの調整などの支援を拡充していく。
・妊娠に不安を抱える方の支援体制については、引き続き北海道と連携し、今後の相談実績や居場所支援の利用状況を注視しながら、対象者のニーズにあった取組となるよう引き続き検討してまいる。

要望
 ・今年度1月末までの2部屋での居場所支援の稼働日数は576日と聞きました。
  ほとんど空部屋になることがなかったことから4部屋に増えることで、より緊急的な女性の居場所となることができると考える。
 ・一方、居場所支援の5人の職員は病院や役所、弁護士などへの手続きなどの同行支援では、1月までに332件対応されており、札幌はじめ全道に居住する対象者の出産後も親子がどう生きるかを切れ目なく支援をされている様子が理解できましたが、4部屋になった際に、はたして、この人数で、同様の支援対応ができるとは思えない。
  是非、居場所職員の増員を求めます。
 ・令和7年度については、国は「妊産婦等生活援助事業」として家庭環境に困難を抱える特定妊婦や出産後の母子に対して自立支援を含めた支援を行うとして、国が1/2、北海道と札幌市が1/4の補助割合となること。
 ・ 答弁では、中長期的なニーズにも対応できるよう、居場所支援の部屋数を2部屋から4部屋に増やし、同行支援のほか、就労支援や福祉サービスの調整などの支援も拡充していくとのこと、期待します。
 ・自立支援においては、出産後は居場所支援の部屋に戻ることなく、本人の希望等に基づき、母子の自立を支援する母子生活支援施設に入所することもあると聞いており、子どもとの新しい人生を踏み出すことになる。
・予期せぬ妊娠をした方や、妊娠に不安を抱えた方が、今以上に、早期に相談につながり、必要な支援を受けられるよう、妊娠期から切れ目のない支援の充実に努めていただくよう要望する。

篠田江里子

篠田江里子

プロフィール

1950年東京都生まれ、横浜市、名古屋市育ち、慶応義塾大学卒業、結婚により札幌市へ。

専業主婦を経てローラアシュレイジャパンで社会人復帰、札幌・東京の店長やマネージャを務め、2006年退社。

東京赴任中、円より子主宰“女性のための政治スクール”に参加。民主党さっぽろ公募を経て2007年札幌市議会議員に初当選以来5期目の活動。

各常任委員会委員長、予算・決算特別委員会委員長、
冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会委員長、
札幌市都市計画審議会委員、
議会運営委員会副委員長、

新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会副委員長歴任。
今期、第42代札幌市議会副議長。
(家族:既婚の娘二人、母)

活動履歴

  • 札幌市DV(配偶者間暴力)被害者支援ボランティア
  • 札幌市食生活改善推進委員
  • 高齢社会を良くする女性の会、I女性会議、ゆいネット、BPW会員、SI札幌会員
  • 保護司・札幌認知症の人と家族の会
  • 環状通東商工会委員、すすきの観光協会理事
  • 元立憲民主女性議員ネットワーク会長